無限提言131回 3月

確かなもの

「何が起こるか分からない」と多くの人が感じた米大統領選挙。一国のトップリーダーによる行動・発言に、世界の耳目(じもく)が集まっている。個性溢れるキャラクターも手伝い、新たな方針を発表するたびに、多くのマスメディアが一斉報道し、世間は不安にかられる。
こうした事象・現象を通して、本質は何かと見つめたときに思うのです。それは、常に“全てが変わりつづける”ということ。しかも、人は、既存のものや築いてきた関係性が変わる時、また意図に反することが起こった時に、どうしても心が動揺してしまうものです。

カウンセリングにおける現実的な声として、このようなことがありました。「古くから付き合いがある大口取引先の営業担当者。その信頼している彼が、急遽異動になった。すると早速、新任の担当者から契約条件の見直しを迫られてしまいました」と。また、「噂には聞いていたが、同一商圏内に大手の競合店がオープンすることになりました。これからの対応策を考えると、悩んでしまいます」と。
思いもよらない出来事に遭遇するときに、心が揺らいでしまう。そして、目の前の現実に対し、焦りと不安に苛まれます。理不尽と思える変化や流れは止めることも、拒否することもできません。
ここで確認したいのは『時代・現実は、何が起こるか分からない。その未来に「確かなもの」などない。唯一「確かなもの」は、自己自身であり、普遍の哲学以外にはない』そして『微動だにしない「KAKUSIN」を得ることこそが、今後ますます問われる時代環境になる』として“新発式”で申し上げました。
つまり、時代がどのように変わろうとも、唯一「確かなもの」は、自己自身です。ゆえに、微動だにしない「KAKUSIN」を得ることこそが、ますます問われる時代かと。そして、何が起こっても、今できることに精一杯挑んでいくことではないでしょうか。今期テーマの「KAKUSIN」は、今、正に追求すべきテーマであると、改めて実感するのです。

時代感覚を磨く

あるクライアントオーナーと懇談の折に、昨今の予想もつかない世界情勢などの話題となり、こんな問いかけがありました。「どのような時代観をもって捉えていますか」と。そこで、私は「時代観よりも、むしろ時代感覚を磨こうと思っています」と。時代観をあえて言えば“変化止まざるもの”と認識しております。しかし、それは観念的なもので、実践的には“時代感覚”を磨くことが大事だと痛感しております。
つまり、時代感覚とは、今の時代は・・・と漠然と捉えることではなく、時代は常に変わりつづけているという認識のうえで、より具体的に、今、何が求められ、何を欲しているのかという“感覚”です。そうした“感覚”を磨き養っていることで、あれを変えよう、これも変えてみようと、身近なところから自ずと、はじまると思うのです。

消費者の要望や期待に応えたモノやカタチが、時代を創り出しているという素朴な事実があると思います。だからこそ、より積極的に問題意識をもって、今の人たちの日常にある生活感覚を観察する必要があるのではないでしょうか。
身近なところの観察として、個人的に参考にしているものが“新聞の折り込み広告”であります。そこには、地域に根差した身近な情報があり、現在の生活実感が凝縮されている。そして、今のトレンドや人気商品、値頃感の動向、時季に適う商品群が様々打ち出されております。それを取捨選択し、より必要なものをタイムリーに購入されているわけです。もちろんネット購入の需要が急速に高まっていることも含め、その底流の生活感を読み取ることができます。そうして時代感覚を磨くことで、自社の商品、サービス、システムを省みた時に、「このままではいけないな」と確かな気づきが得られるのです。

単に流行を追い求めるだけではなく、身近な日常生活を意識し、時代感覚を養うことが、自分自身を耕すことになる。そうして自らを耕すことで、いざという時にアイデアのヒントとしての“芽”が出ると思うのです。そうした努力が、何があっても動じない自分自身を築くことになるのではないでしょうか。

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