無限提言122 回 6 月号

リフレッシュの中身

リフレッシュすることの大切さは誰しも感じていることと思いますが、スタッフをリフ レッシュさせることは、意外と難しいことのように思います。  一般的にリフレッシュは、セルフコントロールの一環として各自がプライベートの時間 にするものと考えられています。けれども現実は、仕事を休むことで意気揚々と元気に なることがある一方で、休んだところで心は休めない場合もあるのではないでしょうか。 つまり、セルフコントロールでリフレッシュすることもあれば、なかなかできないことも ある、その両面を考える必要があるように思います。 辞書にはリフレッシュを「元気を回復すること」「生き生きと蘇らせること」とあります が、創立者鈴木会長は、こう表現したことがあります。「どんなに性能のよいエアコンも、 フィルターが目詰まりしていれば、本来の性能を発揮することはできない」と。 エアコンの場合にはフィルターを掃除すればよいのですが、人間の場合にはどうすると よいのでしょう。また、何が目詰まりするのでしょう。  思うに、単に疲れだけではない、悩みや心配事、プレッシャーや迷い、あらゆるもの が詰まっている状態から、本来の元気な状態に回復すること、それが望ましいリフレッ シュだと思います。  私が地方の結婚式場の総支配人を任され、休みもとらず現場改善に悶々としていた頃 のことです。鈴木会長は言うわけです。「東京にこういうレストランがあるから食事でも してきなさい、参考になるかもしれない」と。  結果、レストランへ行きリフレッシュするわけです。質の高い料理とサービスを体験す ることによって現場改善の糸口をつかみ、且つ、会社から離れることによって現場の閉 塞感から脱するよいきっかけとなりました。まさに、生き生きと蘇ったのです。それは、 休めと言っても休みそうにない私への会長流の心配りだったように思います。  要するに、リフレッシュするには、より意欲的になるような中身が伴うかどうかが大 切なのではないでしょうか。

心の草取り

たとえば、花見や忘年会、社員旅行や社内レクレーションなどもリフレッシュの一つ だと思いますが、そのような場面で鈴木会長からよく言われていたことがあります。「楽 しんでいる人たちよりも浮かない表情をしている人に目を配りなさい」、「参加した人より も、参加しなかった人のことを思いなさい」と。  つまり、全体として盛り上がっているかどうかだけではない、一人ひとりに対する心配 りがあるのかどうかが、微妙な違いを生み出すのではないかと思います。たとえば、「楽 しかった、けれども明日から仕事か・・・」となるのか「楽しかった、明日からさらに頑 張ろう」となるのか、というような。  また、会長はこうも言っていました。「日頃から、心の草取りをしなさい」と。つまり、 不満があればよくよく話を聞いて不満を抜き取り、不安があれば寄り添い、迷っている ならば迷いを断ち切るような激励をする。たとえ特別なことはしてあげられなくとも、な かなか言えないような胸中を吐露することができたならば、それは心の草取りに繋がる ように思います。そうして雑草を丹念に取り除いた分だけ、「何か吹っ切れました」、「や る気がでてきました」というような状態に繋がるのです。  要するに、一人ひとりに対して本当に丁寧に対応することです。どこに悩みがあり、 何を苦しみとしているのか。自分が直接関わるのがよいのか、幹部に関わってもらうの がよいのか、あるいは、どうすれば違った角度から物事を考えるきっかけになるのか。 また、どういうシチュエーションならば話しやすくなり、食事ならば何が喜ぶのかと、心 を砕き、心を配って、心を尽くすことです。  日常、苦しみが鬱積していたのでは、休暇を提供しようが、楽しめるイベントを提供 しようが、何をしたところで、結局、『生き生きと蘇る』ようなことはないように思いま す。それどころか、「もっと自由な時間が欲しい」「社内行事は義務ですか」というような、 一見もっともらしい不平不満がでてくるように思えてなりません。  苦しみをどれだけ抜き取ることができるのか、それがベースにあってこそリフレッシュ するのではないかと思います。目に見えないところに実は本当に大事なものがあるよう な気がします。

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