この度の台風、大雨により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

お一人おひとりの一日も早い復興を祈って、今回の新・無限提言は、特別編として、1995年阪神淡路大震災の際、アンリミ哲学の創立者・鈴木昭二会長が語った指導内容をお送りします。

人間の一念

神戸の震災を目の当たりにして、自然の姿は巨大だと思った。宇宙のエネルギーの発現の一端として、すごいエネルギーだと思った。そういう自然のエネルギーは認めています。あるから。現実に。

でもね、問題はその次なんだ。東京も1923年に関東大震災がありました。戦争で空襲もありました。東京はそのたびに廃墟となりました。今の青年たちが知っている東京は、高層ビルが建ち並ぶ東京です。あれはね、廃墟の中から出来たんです。神戸もそうだといっているのです。

肉眼で見るとひどい状況が広がっている。何が原因で? 自然エネルギーが原因で。だけれども、人間の一念というのは、自然エネルギーよりも偉大なんです。あるいは巨大なんです。我々一人ひとり、あるいは、人間の一人ひとりが復興をめざそうという一念を失わない限り、過去にも増して偉大な神戸になるだろうと思っているんだ。貴方にはそうは思えないですか?

奥尻島の地震の時もそうでした。あの島民たちが復興のエネルギーを自分の内面から奪わない限り、何年かかるか分からないが、間違いなく言えるのは、以前よりも立派な町になるということ。神戸も同じだと思っているんです。

一切を破壊する巨大なエネルギーよりも、もっと偉大なエネルギーは、我々の一念というエネルギーなのです。そういうエネルギーを持っているんです。私たちは。

 

[現在の神戸市]

 

会社経営においても同じことが言える。自分の一念が変わったとき、一切が変わるんだ。

一般論として、歳を重ねるほど過去が良くなってくる。「昔は良かった。かつてはあんなに繁盛していた」と。自分も大したもんだった。あんなにもやってきたことがあったとなる。だが、本人が大事にしているであろう過去、あるいは歴史の全てが金色(こんじき)に輝くのか、廃墟となってしまうのかは、現在、どのような姿勢で生きているのかにかかっている。いい加減に生きている者は、栄光の過去が全部、残念なものへと変わってしまう。先輩方々が築いてきた輝かしい歴史さえも。結果とは、所詮、そういうものなんだろうと思います。我々の哲学は、永遠に原因づくり。永遠にこれからで、永遠に謙虚なんです。

いい加減な一念で大事な未来を失うことがないよう、私たち青年にとって、未来が大事であればあるほど、今が大事なんだ。今がいい加減なら、全部をいい加減にしてしまう。能力も立場も関係ない。一人立つ基本姿勢に立てたとき、結果の変革のスタートラインに着ける。ことはここから始まるんだ。こういう基本姿勢に立てない限り、全てが未解決の世界にさまようことになる。

我々の企業群像も、誰彼ということなく、お互いがお互いの基本姿勢を確認しながら、自らの基本姿勢のあるべき姿として、こういう角度に立てたらいいなぁ、と思っています。

少なくとも、志の次元においては立つべきではないですか。