無限提言138回 10月号

主体性を持つ

“インスタ映え”という言葉が象徴される様にInstagram やLINE、facebookなどのSNSによる影響力は小さくありません。IT社会である現代においては、インターネットを活用した発信や告知、そして、口コミが営業活動の最前線として展開されています。ITの力を駆使することで、さらに多くのお客様に自社が認知されるかもしれません。しかし一方で、商品が良くなければ売れない。また同様に、新製品やキャンペーンなどの企画、実際に来店して感じる店舗、担当するスタッフと、これらも良くなければ、お客様は他を選んでしまいます。
思うのは、『営業力』のなかには、IT、商品、企画、店舗、人間と様々な力が含まれているということです。つまり、『営業力』とは様々な力を持った『総合力』なのではないでしょうか。

しかし、営業とは外に出て交渉すること、あるいは、情報発信と集客だと偏ってはいないだろうか。店舗スタッフによる一つの電話対応でお客様を失ってしまっても気づかない。それでは、懸命に契約を獲ろうと外に出ても空しいばかりです。他の大事なものにも目を向けなければ、行き詰まってしまい、結果には繋がらないと思います。
そこで自分たちのIT力、商品力、企画力、店舗力、人間力は?とそれぞれ見つめ直し、強化することです。それでもトップリーダーは皆、それぞれの専門家ではありません。専門的な知識を持つ会社や人にこちらの想いや熱意を伝え、自分たちに不足している力を取り入れる。とはいえ、こちら側が専門家に振り回されてはいけません。大事なのは“専門家を使いこなせる我々”になることです。

つまり、こちら側が主体性を持つことなのです。“任せる”のではなく“使いこなす”。すなわち、専門家の力を借りて、最終的な判断はトップリーダーがしなければいけません。その主体性の中身には、トップリーダー一人では全てができないからこそ、人(他)の力を借りるという謙虚さも大事だと思います。

熱意は伝播する

それでも、その専門家が身近にいない。もしくは、資金に余裕がないから難しいという場合もあるかもしれません。しかし、主体者としてトップリーダーが熱意を持って営業力を強化すれば、その熱意は伝播し、色んなカタチに表れます。

私がある結婚式場に総支配人として赴任して間もない頃です。当時、私は結婚式の企画と言われても分かりませんでした。そこで、他の各式場の企画を皆で収集し、全てを実行しました。それは、同じ企画でも私たちがやることで、よりパワフルな企画にしようと思っていたからです。そうして何とか喜んで頂こうと企画力や商品力、店舗力と、色々なところから取り入れて他にはない結婚式場というカタチができました。

そうした過程には、失敗やクレームもありました。しかし、満足して頂こう、喜んで頂こうという熱意は歓びや感動を生みだし、それはやがて勢いにもなりました。そして、さらに、熱意が冷めないように色んなことを変え続けました。それは、くたびれることでもありますが、変えた分だけ様々な反応があり、楽しくもあります。また、何より熱意を持続させるエネルギーになるのです。

熱意がなければ、たとえ色んなことをやっても、失敗も成功も味わえない。また、失敗やクレームを恐れ、スマートにそつなくこなすことで伝わるものがなければ“横並び”となってしまいます。大事なのは、驚きや斬新さです。そして、リアリティある人と人との関係性です。熱意を持って、机上ではなく現場に立たなければ活きた営業力は生まれません。是非とも商売と云うか仕事の原点を見つめ直し、他にはできない営業力を追求し続けてまいりたい。

無限提言138回10月号 営業力を強化する