新・無限提言 ~希望の明日へ~

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新発式2024 あいさつ

(こちらでは、2024年1月23日に開催した「新発式2024」にて行いました弊社社長米原のスピーチをお伝えさせていただきます。)

 

あらためまして、皆さま新年明けましておめでとうございます!

はじめに・・この度の能登半島地震により、被災にあわれた多くの皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興を心からお祈り申し上げます。

本日は全国より、何かとお忙しい1月に、こうしてお集まり頂きまして、誠にありがとうございます!

 

冒頭のオープニングムービーに、「継承とイノベーション・変革」とありました。また、「変えなくてはいけないものとは?」「「変えてはいけないものとは?」とも。

継承・・大変難しいテーマです。 いったい何を継承するのでしょうか?

事業そのものでしょうか? 社名ですか? 地位や財産、権利でしょうか。技術や商品なのでしょうか・・?  皆さんも感じているごとく、それもあるが、決してそれだけではない!と。

むしろ、むしろ目には見えない、無形の創立者の想いや、人生観、考え方、理想や夢などではないか・・と。

そうです。変えてはいけないもの・・それこそが創立者の想いであり、「何のために経営をするのか」との、経営の目的ではないでしょうか。その変えてはいけない、創立者の想いを継承していくが故に、変えなくてはいけないことが、たくさん出てくるのではないでしょうか。 なぜなら、継承していくリーダー・人間が変わりますし、時代も変化していくからです。時代が変われば、価値が変わり、環境もどんどん変化をします。 数年前まで価値のあったものが、今では価値を生まなかったり、以前では問題にならなかったことが、今では大問題になったりもします。

私たちを取り巻く環境も、刻々と変化をしていきます。想定できないような地震・災害、地球温暖化ならぬ地球沸騰化、未知のウイルスによるパンデミック。

更には、人間が引き起こす戦争により、命を脅かす環境の変化・・。

・・少々、話が飛躍してしまいましたが、そんな変化・変化の連続の中に、我々は生きているのであり、経営を推進しているのです。で、あるならば、もっと積極的に、もっと主体的に、「変えなくてはいけない」・・ではなくて、「変え続けるべきだ!」となるのではないでしょうか。「なぜこうしているのだろうか?」「なぜこれなのか?」「本当にこれでよいのだろうか?」・・と、今までの当たり前や常識・普通を積極的に疑う! そして「これからはこうしよう、ああしよう」と話し合い、出来るところから実践をしていく。

今期のアンリミテッドクリエーション年間テーマも「イノベーション・革新と工夫」と、決めました。

アンリミテッド創立者が言っております・・『私が述べていることは、イノベーションの哲学なのです。世の中の全ては常に変化をしています。全ての生命体、全ての産業が変化をして、新陳代謝の連続とも呼ばれる変化の中で、生命体系の維持と発展をしてきたのです。 イノベーションの連続がないと、今というこの時を未来につなぐことはできません。そして常に正しいものを求めて変革を続けていること、それ自体がすでに正しさの証ともなるのです。』と。

 

ここでおっしゃっている「常に正しいものを求めて、変革を続けていること」・・とあります。

この「常に正しいもの」・・というのが、変えてはいけない哲学であります。 アンリミがメッセージしている哲学・・それは、凝縮をしますと《人間尊重》であります! 《人間尊重》を根本に、因我にあり・利他スピリッツとの2本柱を中心としています。この哲学を変えてはいけないのです!

自分だけの幸福ではなく、自分も相手も、自他共々の幸福です。利他スピリッツです。 自社だけの発展ではなく、自国だけの発展でもありません。自他共々です。 《人間尊重》・・この哲学には、老いも若きも、女性も男性も、日本人も外国人も、差別や隔たりはありません。そして、一人ひとり、人間は違います。長所も短所もあります。

《人間尊重》・・その一人ひとりを どう活躍させてあげられるか? どう輝かせてあげられるか?

変えてはいけないこの哲学を継承していくが故に、現実において、変革を続けていく!  その為の研鑽であり、追求であり、イノベーションの連続が、組織のリーダーに問われている課題なのかもしれません。

 

どの会社にも、今では経営理念がしっかりとあります。会社を運営していく上でのリーダーの想いを言葉に表したものが経営理念。それを分かってもいます。ですが、問題はときに生じます。

昨今の例でいえば・・大手自動車メーカーでさえ、最前線の不正に気付かず、大きな問題になりました。また、大手石油会社のリーダーが、立て続けにセクハラ問題にて辞任。更には、行政のリーダーである市長が、パワハラ・セクハラにて市の職員より訴えられるなど。

経営理念に誤りはありません。ではどこに誤りがあるのでしょうか。

それは、リーダーという名の人間の、哲学のズレであり、内面のズレから起こるのではないでしょうか。 まさに因我にありです。

なかなか見えないのは、自分です。自分自身です。ズレている自分や、感情のままの自分、環境に振り回されている自分など・・決して自分を正しくは見れないのです。 変え続けるべきは先ず、自分自身なのです!

私も同じです。全く同じです。

だからこそ、正しい哲学を積極的に学び、研鑽し、自分自身の訓練をしていく。更には、正しい哲学を共有し、自分を理解してくれる信頼ある人に、積極的に聞き、確認をするのです! そして、その継続の中に、会社の安定と発展、成長が結果として、現れるのではないでしょうか。

因我にあり・・とは、どこまでも自分自身の育成であり、変革であり、自分自身のアップデートであり、新しい自分づくりです。

そうは言っても、リーダーとはいえ、生身の人間です。時代や環境の変化に、迷ったり、苦しんだり、悩む時も多々あります。また、好転の変化に欲を出したり、無理をしたり、慌てたりもします。 ときには、羽目をはずしたくなる時も、愚痴の一つも言いたくなる時も、泣きたくなることだってあります。だからこそ、アンリミのカウンセラーがいるのです。我々は、どこまでも、リーダーという名の人間に寄り添い、向き合い、知ろうと努力し、共に幸福を目指し、進んでまいります!

 

また、同じ哲学を学び、実践し続けている、ここに集った仲間もいます。積極的に関わり合い、共々の成長を目指したいと思います。

最後になりますが・・柔軟に、しなやかに、スピードと勢いをもって、そして何より、楽しく、悦びをもって、イノベーションの連続に挑戦し続けていきたいと思います。

本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。本日は誠にありがとうございました。

 

(株)アンリミテッドクリエーション 代表取締役 米原俊和

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2024年新発式あいさつ

2024-02-13T13:58:46+09:002024-02-13|

人間力を育む

支えとなる

今年はリクルートスーツに身を包んだ就職活動中であろう若者を街でよく見かけます。この3年間のコロナ禍ではオンラインが就職活動の中心でしたが、新型コロナ感染も5類になりリアル(直接)面談が積極的に再開されているのだと思います。

懸命に就職活動をし、いくつもの面接を受け、内定を勝ち取り、晴れて入社となる。そして、身内は「よかったね」と安堵し、喜びを得る。しかし、中小企業における新卒者の入社後3年間の離職率は、約半数の割合にもなるとしたデータが現実にある。
多くの方々は夢と希望を持って入社する。しかし、そこに待ち受けている現実は、あまりにも厳しい。社会や組織の矛盾、そして人間関係の難しさに悩み苦しむ。それは、いつの時代においても、誰の場合でも同じかもしれない。しかし、そうした経験を乗り越えることは、自らを鍛え、人間としての力、いわば最も大切な“人間力”を育む人生道場ではなかろうかと。
どんなに、素晴らしい才能や能力、個性や性格も、人間的な弱さからそれが発揮されないことがある。また、未熟な面が多くとも、人間的な強さによって磨かれていくこともあります。強い弱いというのは一面的な表現かもしれませんが、人間力を育むことが大切だと思うのです。

先日も合同カウンセリングにて“人材育成”がテーマとなり、各クライアントオーナーと懇談しました。そこで、若手スタッフの一つの傾向として、欲のなさというか、精神的な脆さを憂うるとともに、彼らとの関わり方も難しいと。そして、彼らが育ってきた環境はどうすることも出来ない。どうしたものかと。
そこで、実は環境が人間をつくり、人間が環境をつくるという捉え方がとても大切で、人を育成する環境とはどういうことなのかを確認し合いました。

人間の成長にとって大切な環境とは何か。それは“支え”だと思うのです。
“支え”を例えれば、植樹の時に用いる“添え木”です。“添え木”があれば、少々根が弱くても、風が吹いても苗木は倒れません。つまり、支えがあることで、人は倒れない。たとえ強い人であっても、支えがなければ、思わぬ事で、つまずき倒れてしまうこともあります。だからこそ決して、自分一人になってはいけないし、また、一人にさせてもいけません。

ヒューマニズムが土壌

私は思うのです。そもそも“最近の子”が弱いのではなく、“支えとなる存在”が弱いのではないかと。会社組織においても、家庭環境にしても、“支えとなる存在”つまり我々自身の意識が、希薄になってはいないだろうかと。
“支えとなる存在”のあるべき論ではなく、あらためて、望ましい環境を追求したいのです。例えば、どんなに良い苗木でも、環境が悪ければ、育たない。環境とは、土壌や水、光でしょうか。土壌に問題があれば、いくら日当たりが良く、水や肥料をあげても、枯れてしまいます。苗木に問題がある場合もあるでしょう。しかし、土壌が変われば、育つこともあると思うのです。
また、優しさだけでもひ弱になるし、厳しさだけでは折れてしまう。殊に人間は複雑で、難しいことは痛感しています。だからこそ、なにがあっても皆で支えていくヒューマニズムこそが、目指す土壌ではないでしょうか。

以前に庭師を経験した方に話を伺ったことがあります。庭全体のバランスが大事だと。他の土壌から植え替えたことで育つ場合もあれば、枯れることもある。それぞれの草木の特徴によって場所を変えてみたり、時にはストレスを与えたほうがしっかりと根を生やすこともあると。人間組織における環境を思う時に、実に示唆に富んだ内容でした。
ヒューマニズムが土壌であるからこそ、庭にあるそれぞれの木を活かすことができる。また、様々な種類の木であっても共に成長し、色彩豊かな庭にできるのです。

最後に、支えというのは、支えて支えられてもいます。誰かを支えるということは、実は自分が支えられていることなのです。これが本質だと思えてなりません。
何があろうとも、一人ひとりを信じ、心からのエールを送り続けてまいりたい。その支えが、新しい人材の力を生み、やがて新しい勝利を開くことでしょう。

2023-07-10T21:41:41+09:002023-06-30|

不正事件に思う

先日、ある温泉旅館の衛生上あってはならないような事実が大きく取り上げられました。弊社のお客様にはホテルや旅館業の方々も多くご縁がありますが、その背景には様々な事情が有ったのだろうとニュースを見ながら思っておりました。しかし、どのような理由があったにせよ、利用したお客様の健康上のことは言うまでも無く、同じ業界・同業他社に対する信用の面からも、しっかりとした今後の対応が求められることは確かです。

3年間に及ぶ〝コロナ禍〟によって、様々なことが変化し、特にデジタル化は数年で10年以上の進歩を遂げたともいわれています。また一方で退化してしまった感があるのが私たち人間の基本的な姿勢ではないかとも感じています。約束事や時間、やるべきタスクや守るべき事に対する取組みなど、どこかアバウトになってしまっている・・・そう感じるのは私だけでしょうか。先のニュースと直接的な関係は無いことかもしれませんが、今こそ「基本姿勢を正す」ことが今後キーになってくるように思えてなりません。

ともあれ、考えられないような前記のニュースではありましたが、以前にも食品の偽装や製造メーカーでの不正問題が取沙汰されたことがあり、その際にコラムに掲載させていただきました。今回は再確認の意味で、この無限提言「不正事件に思う」を再掲載いたします。参考にお読みいただけたら幸いです。

 

不正はどこからでてくるのか

大手自動車メーカーのデータ改ざん、首長や政治家の政治資金問題、東日本大震災の際には原発事故に伴う隠ぺい問題などもありました。これらは、まさに日本を代表する企業や期待を寄せたリーダーに関する不祥事でした。こうした世間で話題となっている事件や出来事のニュースに接する時、よそごとではなく、自身の身近にも起こりうる問題として捉え考えるという習慣を身につけていきたいと考えます。

そして、思うのです。組織であるならば、規模の大小によらず、不正を引き起こす危険が様々な場面や時に応じて潜んでいるのではないかと。また、不正はどうして起こるのか?また、なぜ起こるか? こうした問題の本質は何なのか? とも。

そもそも、一人ひとりの思いに、最初から悪意があったのでしょうか。思うに、しらずしらずのうちに見る方向を誤ってしまった結果のように思います。

頭ではスタッフや利用者のことを考えながらも、いつの間にか、会社の存続や業績に目が行き、スタッフ一人ひとりにおいても、いざという時に、自身の立場や上司の顔色を伺うようになった結果のように思います。

こうした「狂い」や「誤り」は、残念ながら、誰でも、何処でも、いつの時代でも変わらないことのように思います。それは、本能的にもっている自身を守る保身利己、つまりは人間のもつエゴイズムに行き着くように思われます。

 

そして、不正を助長する大きな要因に、「言えない」「言いづらい」という問題があります。上司からの不正の指示に対して、「それは、おかしい」という思いを伝えられない。会社のためにと現場がやっている不正に対して、「これは、だめだ」と指摘できない。あるいは、社内の不正を知りながらも誰にも相談できない。

つまり、「情報の遮断」ということが、結果的には、会社を、上司を、自身を苦しませ、悩ませることになるのです。情報の共有がなされていないところに、まさに、組織の弊害が様々な形で現れるように思えてなりません。

健全な組織とは、気付いた人間が不正を指摘し、不正でなくとも何か疑問があれば確認をし、思うことがあれば相談できる組織なのではないでしょうか。

 

何をもって企業統治するのか

不正予防、顧客満足、社内のモラル向上、そうした観点から、近年、コンプライアンス(法令順守)、コーポレートガバナンス(企業統治)というフレーズを耳にする機会が増えてきています。

当然の対策の帰結ともいえるでしょう。しかし、様々なルールやシステム 制度や規制が重要なことは認めざるを得ないとしても、はたして、法や制度で人間を統治することができるのでしょうか。また、規制やルールで統治しようとすれば、人間関係は希薄になり、さらには、窮屈になりはしないでしょうか。

改めて感じることは、人間愛、人間尊重、相手中心といった、ヒューマニズムを根本とした哲学が企業統治のベースになければ、何をしたところで十分には機能しないということです。

逆に、企業統治のベースにヒューマニズムがあればこそ、事細かな制度や規制を潤滑にさせ、仲間を仲間として率直に語り合い、マイナスの情報をも共有し、改めるべき方向へと共に行動するのではないかと思うのです。つまり、ヒューマニズムの心をいかに育んでいくかという視点を見逃してはならないと思うのです。是非とも、互いが互いを助け合い、励まし合い、補い合う組織づくりを目指したいものです。

 

以前、創立者鈴木会長は、懇談のなかで「今の大企業は昔、下請けを泣かせるようなこともしてきただろうし、規則に沿わないこともしてきたはずだ」と。つまり、どんな大企業もはじめは零細企業で、なんとか会社を発展させよう、成長させようとするプロセスのなかには、今でいう『ブラック』と言われることがあったのかもしれないと。

しかし、このままではいけないと気づき、自ら是正してきた結果として、社会から信用される企業になったのではないでしょうか。

そこで大切なことは、図らずも社内の不正が発覚したならば、素直に非を認め、大胆、かつ積極的にヒューマニズムを根幹とした組織に改めることです。そうした『潔さ』が私たちに問われていることだと思います。

 

 

2023-03-13T18:45:53+09:002023-03-07|

書籍「経営の人間学」あとがきー経営の美学より

想定できないような事件や事故、災害が、今日もどこかで起き、瞬く間にメディアやインターネットを通じて全世界に発信されている。

見るに堪えないような現実も少なくない。

多くの人が、あらゆるリスクを回避・軽減しようと予防や対策を講じている。しかしながら、この先何が起きるのかは、誰も予測できない。

明日は我が身…いつ、誰にでも同じようなことが起こり得る時代に、私たちは生きている。

思うに“いざという時の備えとは何か”ということが大事ではないかと考えます。近年、企業経営においても、リスクマネジメントの価値が見直されております。備えとは何か?

 

当社は、経営トップに対するカウンセリング事業を行っております。経営責任を担う方々との対話を通じて思うことは、常日頃からの物事に対する見方・捉え方・考え方…すなわち“哲学”が問われているのではないかということです。

想定外の出来事に実際に直面すれば、激しく動揺し、その現実を受け止めるのは難しい。目を背けたくもなる。また、何とか受け止めようと、起きた原因を解明できても、前向きには、なかなかなれません。それどころか、これまでのことを全て悲観的に見てしまえば、後悔だけが募り、自分を苦しめてしまう…。

そのような時、私たちに問われるのは、起きた事をどのように捉えるか。過去に目を奪われるのではなく、現在をどう受け止めるのかではないでしょうか。

苦難の中にあってこそ、自律、自強の哲学が必要となる。そこから、未来は間違いなく変わっていく。そうすれば、今やれることが必ず見えてきます。様々な現実に対し、どのように受け止められるかは、自分次第であろうとも考えます。

 

経営再建の現場で、思うようにならず苦しんでいた時、アンリミテッド創立者、鈴木昭二会長から教えられたことが、今でも心に刻まれています。

曰く、『自分よりも不遇な環境、辛く苦しむ人に比べれば、自分の苦しみはどうなのか』と。

そうは言っても、経験浅い当時の自分自身には到底理解し難い。自分が苦難の渦中にいる時は、他者を思いやることは容易ではありません。

数多くの“出会い”すなわち、辛い事、苦しい事、思うようにならない様々な経験を重ね、そのような想いに立てるよう訓練し続けること。事実、そうした人…不遇な環境、辛く苦しむ人に思いを馳せれば、自分自身の置かれた状況や環境に対する有難さに気が付く。ふと、冷静に自身を見つめられる勇気が内面から湧いてくる。

こうした捉え方が日頃からできれば、いざという時でも自分を見失うことはないと思います。勿論、自身に深い次元から示唆を与えてくれる存在は不可欠であろうとも考えます。

 

人は誰しも失敗をおかすことが有ります。むしろ失敗の連続が人生かもしれません。そんな時、私たちは潔くありたいと思っています。

“潔さ”は、時には自分を傷つけてしまいます。しかし、その傷は、自らを正す‟薬“や、気付きを与える‟教師”ともなり、やがてかけがえのない“勲章”ともなる。反対に保身に走り言い訳をすれば、醜態をさらし、自らを破る因となってしまう。

誰しも良く思われたいし、その為に繕ってしまうこともある。ましてや、これまで築き上げたものが傷つき、失ってしまうかもしれないとなれば、不安と危機感に苛(さいな)まれる。

しかし、私たちが本来大事にしているのは“ありのまま”ということ。ありのままの事実を受け入れ、次に進む。マイナスもプラスも全てをありのままに受け入れ、全てを肯定的に見ること。本物の楽観主義が何よりも自分の前進ためのバネ(スプリング)になる。

“潔さ”を貫くことは実に困難ですが、我々の目指す経営の美学を、

どこまでも真正直に追求してまいりたい、そう思う昨今です。

 

「壁はいくつもある 挫折することも苦悩することもある

    だからこそ人間は大きくなれる  -鈴木昭二」

(こちらは2018年に発刊した書籍「経営の人間学」に、あとがきとして掲載した文章となります)

2022-08-08T10:42:04+09:002022-08-08|

家庭の問題~新たな生活様式で広がる家族内の諸問題への対応

コロナウィルス感染が広がって2年になります。この2年間で仕事も家庭内も大きく変わりました。

≪参考:内閣府 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査 ≫

 

リモートワーク等によって、スタッフのエンゲージメント、モチベーション、心理的安全性など様々に難しくなっています。また、その先にある各人の生活の基盤となる「家庭」にも影響が出てきています。家にいる時間が増えた、家族との食事や会話が増えた、ワークライフバランスが取れるといった良い面もありますが、それだけお互いの負担も増しています。仕事面で良いパフォーマンスを継続するためにも、より良い家庭・生活面での充実が問われています。

今回は「家庭の問題」と題して、努力の角度や物事の捉え方を考えて参ります。

 

努力の角度

仕事に励む一方で家庭の問題を抱える方は多いと思います。家族の病気や事故、子供の学校でのこと。あるいは、嫁姑問題や親の介護、夫婦関係など解決したくともなかなか思うようにいかないことがあるものです。
ほんの一側面に過ぎませんが、たとえば、昨今、非行や不登校、心の病など、問題を抱える子供は少なくないようです。その親御さんは、子供の将来を考え様々に手を尽くしておられることでしょう。

本人に対する助言や激励など成長を促すことは必要なことだとしても、大事なことは様々に起きてくる問題を通して子供の苦しみや悩みにそっと寄り添い、より強い絆をつくっていくことが大切なことのように思います。
夫婦関係にしても、問題にならないようにと努力をする一方、つい感情的になってしまうこともあります。奥さんの言動は自分に対する不満の表れかもしれませんし、自分や子供たちを思ってのことなのかもしれません。ともすると、相手のマイナス面ばかりに目がいき、良いところや感謝すべきところを見落としてしまうのではないでしょうか。
また、嫁姑問題で妻と母との板挟みで苦しいといったことはよくある話です。問題に向き合い、二人の話を本気で受け止めようと腹を決めたならば、何かしら違ってくるのではないでしょうか。大変さや苦しみをわかってくれる一人の存在がどれほど大切なことか。
申し上げたいことは、家族の問題は、問題そのものが問題なのではなく、その環境に生きている主体者、つまり自分の問題なのです。そして、問題を自分のこととして受け止め、自分を鍛えるという角度が、根本的な解決に向かう唯一の努力の角度であると考えます。

問題に悩まされなくなる

家庭の問題と向き合おうとしても、仕事に精一杯でなかなか向き合えない。かといって家庭を優先すると仕事が疎かになってしまうというようなことは少なくないでしょう。
一つ言えることは、家庭においては「質」が大事になってくるように思います。
わかりやすいことで言えば、奥さんの話を聞いても仕事に疲れてどこか受け止めきれないところがあったり、子供と関わっていても気持ちは別なところにあったり、さらには、自分がしていることと求められていることが違っていることもあります。家族で出かけるよりも庭の草むしりをして欲しい、もっと言えば、特別なことはしなくてもよいから私の大変さをわかって欲しい等々と。
仕事に全力を出す一方で家庭としっかりと向き合うことは、現実、簡単ではありません。大変な労力と葛藤が伴います。だからこそ、「絶対に負けない」と自分と戦うなかに主体が強化されるのではないでしょうか。

言うなれば、より豊かな人生、より充実した家庭を築く訓練です。そして、自分が強くなった分、仕事の問題も家庭の問題も結果的に乗り越えているのです。たとえ問題は解決しなくとも問題に振り回されない自分になっていたり、あるいは、大変さは変わらなくとも苦痛ではなくなっていたりなど。例えるならば、厳しい環境に対して、チャレンジ精神で挑むのか、逃げる気持ちでやり過ごそうとするのかによって、その苦しみが違ってくるように。
ともすると、相手や周りの変化をどこか期待したり、避けたい思いが沸き起こるものです。実は、家庭の問題というものはなくならないものだと思います。表面化していないだけで内在していたり、解決したと思っても根本的には解決していなかったりと。それだけに、繰り返しになりますが、自分のこととして問題と向き合い自分を鍛えることがより大切なことのように思います。

最後に、家庭の問題のなかには、とても切実で難しいものもあります。そうした問題こそなかなか相談しにくいものです。問題を抱え込み一人悩むのでなく、本当に信頼する仲間と苦しみや大変さを共有することも大切なことだと考えます。また企業としては、各人がどのような問題を抱えているのか?会社として出来ることは?との姿勢や具体的施策がより一層求められます。

お互いの身体的距離が離れた今だからこそ、本当の信頼関係に基づいた持続的な取り組みが、益々大事になっているのではないでしょうか。

 

≪本コラムの感想や弊社へのご質問等は以下よりお寄せ下さい≫

2022-02-14T17:42:35+09:002022-02-14|

年間テーマ「確信と勇気」~アンリミテッドクリエーション新発式

 

 

皆様、あらためまして新年明けましておめでとうございます!

2022年の幕も明け、希望への本年がスタートを致しました。

 

毎年、この新発式にて、弊社の年間テーマを発表させていただいております。

今期の年間テーマ・・それは 『確信と勇気』です。

 

この約2年間、世界中の人々が新型ウイルスに脅かされ、翻弄され、私たちの生活のあり方や仕事のやり方も変えざるを得ない状況となりました。見えない先を思い、不安になり、迷いが生じ、何を信じたらいいのか分からない・・との不信感。

先人よりの教えに「国や社会の乱れは、思想の乱れから始まる」・・「思想の乱れとは、考え方であり、価値観である」・・と、あります。

これだけ多くの人を巻き込む環境の変化に、人は迷いもするし、不安にもなります。未来に対しても希望が持てなかったり、絶望を感じてしまったり・・・そう思ってしまいがちな環境ではあるのです。

しかし!・・クライアントの皆さまは、そんな環境の中で、ただ嘆くのではなく、待っているだけでなく、新たなことに挑戦し、前進をしています!厳しい実情を目の当たりにしつつも、それぞれに様々な手段・方法を改善し、展開し、応戦と挑戦をされております!

それは間違いなく、それを推進ならしめているのは、リーダーを中心とした皆さまの考え方・哲学であります。そして、そこに大きな影響を及ぼす考え方として、アンリミ哲学が存在するものと、確信しており、皆さまの姿を通して、「確信と勇気」を感じてやまないのです。

 

アンリミテッドクリエーションの年間テーマ『確信と勇気』

 

確信・・・「信じて確かなるもの」・・それは、あるのでしょうか?

 

あります! 時代が変わろうとも、環境が大きく変わろうとも、結果が良い方向へと向かう、信じて確かなる不変の羅針盤たる、考え方・見方・捉え方があるのです。その哲学を「経営の人間学」と称して、私たちは共に学んでいるのです。

 

そして、学んだ哲学を自分自身で、実践・活用をしてこそ、哲学が活きるのです。

それには、一歩、踏み出す勇気が必要です。

その、勇気・・・「よし!何でもやってみよう!」との勇気を、内面から湧き出だすために哲学があり、その一歩、踏み出す勇気を与えてくれるもの・・それが、哲学に対する確信でもあるのです。

 

「勇気の人とは、謙虚な人です。謙虚な人とは、学び続けている人です」・・と、弊社テキストにもございます。

不変の哲学を学び、確信が高まり、実践する勇気が湧き、その実践の中で、更に確信が、深まっていく・・・『確信と勇気』です。

 

ともあれ、「迷ったら原点に帰れ」・・と(アンリミ)創立者に教えて頂きました。

原点・・何のために働いているのか。何のための会社なのか。何のために学ぶのか・・。

今後も、予期せぬことも起き得ます。想定外もあるでしょう。しかし、何があっても負けない!何があっても諦めない!・・そういう生き方を貫いてまいりたいと思います。

 

 

また、人は一人では、弱いものです。

だからこそ、自分に気づきを与えてくれる恩師の存在!

元気と勇気をもらえる、共に学ぶ仲間の存在!

そして、実践現場にて、挑戦をする仲間の存在!

 

私共、アンリミテッドクリエーションのカウンセラーも、本年は積極的に、クライアント同士の出会いを、コーディネートしていきたいと思っております。

ぜひ、「あの社長の話を聞いてみたい・・」「会って質問をしてみたい・・」「あのクライアントへ行ってみたい・・」など、ありましたら、担当カウンセラーまでお伝えください。我々からも、積極的に提案し、出会いをつくってまいります!

 

長くなりましたが、本年も1年間、よろしくお願い致します!

 

2022年1月25日 於、市ヶ谷

 

2022年 新発式挨拶

2022-01-28T14:37:33+09:002022-01-26|

活路を見出すには~自社に照らして問題意識を強く正しく

世間の出来事を鏡にする

 

どういう一手を打てば、活路を見出せるのか。

世の中では、ITの発達~DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組み、市場の変化、価値観の変化、為替変動、災害、そして感染症による影響など様々な出来事が起こっている。こうした現実の動向をよくよく心得ながら、的を得た一手を打っていきたい。世間や身の回りで起こる様々な出来事から、何をどう見て、どう考え、経営現場に活かす一手を打つことができるのか。

 

そのために先ず大事な視点は、世間で起こっている事象・出来事を鏡にして自分自身を見ることです。つまりそれは、世間や身の回りの出来事を単にニュースとして見るだけでなく、そこから、自社の課題やマイナスポイントを見つけ、改善・創意工夫をすることです。たとえば、食中毒事件や(感染症の)社内クラスターのニュースを見て、我が社でも同じようなことは起こりえないか、または、万が一起きてしまった場合、我が社ではどう対応するだろうかと自社を見る。

事の本質は『社会がより安全を志向するようになっている』と見て取り、そして、『社会の価値観の変化に合わせて自社の改善工夫をする』ことです。円高、スマートフォン、AI、自然災害、企業コンプライアンス、芸能関係から政治にいたるまで、あるいは社会現象から身近な家族問題まで、様々な事象・出来事から、時代の価値観をいかに的確に掴んで、自社に活かしていくかが大切です。

 

問題意識の強さと正しさ

以上のことを一言集約して言えば、それは『問題意識』です。

問題意識の違いが行動の違いに全て出てきてしまう。たとえば、飲食店にて玄関での受け入れ強化を考える。けれども、雨の日も、風の強い日も、暑い日も、寒い日も同じ対応になっていたとしたならば、それは、そういう問題意識の表れなのです。強い問題意識がなければ、何を見ても聞いても生きた情報とはならない。

明るく元気にと、毎回大きな声で挨拶を心掛け迎える。確かにそれはとても大事ですが、もう一歩突っ込んで、一人ひとりのお客様のことを受け止めながら丁寧に声がけを試してみる。「雨の中ありがとうございます!」「感染対策のご協力感謝いたします!」「〇〇様、先日に引き続きご来店嬉しいです!」などの一声だけでもと心がける。挨拶ひとつとってもお客様の印象は全く違ってきます。

問題意識で大事なことは、その強さと正しさです。強さと正しさによって、同じものを見ても、見えるもの、取り入れるものが違ってくる。ある結婚式場では、列席者を車で迎えに来るその家族の方々に対し、車の中でお待ちいただくことに申し訳ないと、簡単な飲み物と紙おしぼりを配り、長くなりがちな待ち時間に気の利いた対応をする。かたや別の式場では、列席者の迎えのための車が数多く玄関前で待っていることにも気づかず、気づいたとしても送迎バスの邪魔だといわんばかりの対応をする。問題は、どちらがお客様は満足するのかという問題意識です。儲かるという問題意識、費用が掛かるという問題意識、スタッフやお客様が喜ぶという問題意識、そうした問題意識の違いによって何をするかが変わってきてしまうのです。

i-padを見たある社長は、これを営業ツールで活かせば、営業マンはやりやすくなり、顧客対応もよくなると考え、全営業マンにi-padを持たせる。方や別の社長は、その利便性に驚くが、今のところ営業も顧客対応にも問題はないとして、個人的に利便を享受するにとどまる。卑近な例ではありますが、これも問題意識の表れです。

会社を良くしたいと誰もが思っています。けれども結果が違うのは何故か。それは、問題意識の強さと正しさが結果に表れているのです。アンリミ創立者は「お客様に満足を!寝ても覚めても考え、創意工夫を続けなさい」と問題意識の強さと正しさを分かりやすく表現していました。そうした問題意識で身の回りや世の中の事象・出来事を見れば、次に何をすればいいかではなく、次々とやることがありすぎて困るとなるのではないでしょうか。

大事なことは、改善・創意工夫を一つひとつ積み上げていくことです、時代の流れに合わせ、お客様の変化に合わせ。当然、やれば失敗はつきものです。成功することよりも失敗することの方が多いのが現実ともいえます。けれども、「一人のお客様のために」と常にお客様が喜ぶことを考え悩み、改善と創意工夫を繰り返す。その積み重ねを続けることで、あの会社はすごいとなるのです。

繰り返しになりますが、世の中の出来事や変化を見て、自社に当てはめる。我が社ではどうなのか、あるいは、我が社でどう活かせるのかと。そうした問題意識で、悪い事はやめ、良い事を増やす。成功も失敗も併せて色々とやっていくなかに活路が見出されるのではないでしょうか。

 

2021-10-08T12:30:07+09:002021-10-07|

一人ひとりの働き方

いよいよワクチン接種がスタートしました。長く続くコロナ禍の事態収束にむけた方向性がぼんやりと見えてきたのではとの印象です。とはいえ、実際のところ経済活動は停滞したままの状態で、特にサービス業全般では厳しい状況が続いているのが現実です。大きな変化として、働き方が変わってきました。リモートワークは勿論ですが、それが出来ない業務内容の会社であっても、例えば、就業時間や休みの取り方、ミーティングの開き方、営業スタイルも変わってきているのではないでしょうか?

最近多く寄せられるのが「コミュニケーションの取り方が難しくなった」という内容です。フェイスtoフェイスであればこそできた、意志の疎通や指示、各自のモチベーションの維持が困難になってきているということ。

今回は、3年ほど前(2017年)に出した本コラムの一つから、一人ひとり違う〝働き方〟に焦点を当てて、その本質を考察して参ります。

 

働く目的

ある企業では、定時になると職場の一斉消灯がはじまる。「働き方改革」が世間で声高に叫ばれています。少子高齢化を見据えた労働力の確保として、長時間労働の是正、労働生産性の向上などが改革におけるテーマとして挙げられているようです。
“働き方”とは、そもそも時代と共に常に変化するものであり、対応せざるを得ません。しかし、リソースの限られている中小零細企業にとっては、行政の指導に沿った改革は実に難しい。それでも、できる限り精一杯の対応をしている。だが、求められるのは時代の要請であり、そこには現実の矛盾と葛藤があります。
その上で危惧するのは、どう対応するのかを第一の課題としがちなことです。時代の変化のなかで、“自分たちに問われていること”と“対応”は別々なのです。一例を挙げれば、対応面では、給与(評価)や労務システム、就労体制やその為の環境整備など。中にはすぐに変え難い問題もありますし、分かってはいてもできないという問題もありますが、対応していかなければならない課題です。

その一方で、対応面ばかりを追求すると、働く意味や意義をどうしても見失いがちになってしまいます。仕事を始めたときには、やる気も熱意もあるのですが、そのモチベーションは知らず知らずと失ってしまう。終には、“作業”だけが残ってしまうと苦しくなり、自分自身を追い詰めてしまいます。離職率が高い職場にはこういった傾向が有るように思います。

私たちは、様々な“対応”と共に“問われていることは何なのか?”との認識を深めることが大事になってきます。

つまり、「何のために?」という目的観が一切の起点になります。しかしながら、一人ひとりの価値観は益々多様化し、仕事観や人生観と云っても様々です。やはり根本の問題は、スタッフ一人ひとりの目的観と企業の目的観が、互いに共有されているかどうかではないでしょうか。
そこで、求められることは、スタッフ一人ひとりとの対話や社内教育を通し、トップリーダー自身が目的観を問い続けること。例えば、仕事とは手段であり目的ではないと。また、働くとは“はた楽”であり、“はた(そば)の人を楽にする” ことと、私自身も目的観を教えてもらいました。こうした目的観の共有がなければ、お互いがストレスになり、いずれ大きなひずみを生み出してしまうと思います。

 

楽しむため

それは、決して押し付けやコントロールではありません。また、スキルアップのための社内教育でもありません。どこまでも、本人のための目的観を育む。「この仕事は、そもそも何の為?」と問いかけていく。日本の学校教育においては、目的観の教育は不十分だと思います。また、それは難しいことでしょう。だからこそ、トップリーダー自身が働く目的を問い続け、追求する。そして、タイミングをみて、相手を想い、ことあるごとに目的について語り合う。こうして、そもそも何のための仕事なのだと一人ひとりが目的を持つことで、自然に環境や状況に応じて、頑張れます。

思うに、苦しむために生まれてきたのではない、楽しむためだと。これも目的観です。つまり、いろんなことにチャレンジしてみることや、苦しいこと、困難を全て楽しんでしまえと。私自身も、ことあるごとに言い聞かせ、切り替えています。「嫌だな」と思う自分から、「楽しもう」と。こうした捉え方を持つことで、自己感情を切り替えるのです。自己感情を哲学優先に切り替えるスイッチを持たなければ、苦痛の渦に飲み込まれてしまうと思うのです。

たとえ困難な状況でも前向きに捉え、あきらめずに乗り越える。そこにトップリーダーとしての醍醐味、人生としての醍醐味もあるのではないでしょうか。働き方改革を世間が注目すれば、注目するほど“なぜ、何のために”という使命感や目的観が、とても大事になると思います。仕事における喜びや、やりがいによって、プライベートの充実も共に図る“働き方改革”でありたい。

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先日、弊社内のある会議で「もっと夢を語ろう!」と話す場面がありました。このコロナの状況下で・・?との思いが頭をかすめる一方で、今日・明日を思い、汲々とした近視眼的になっている自分に気付かされました。確かに現実は厳しい。分析も対策も大事。だからこそ将来を切り開く、モチベーションとなる『夢』が大事なのかもしれません。決して遠視眼的になるのではなく、正視眼で物事を捉え、現実を見つめるためにも、夢を語りながら今この現実と戦って参りたい、「何のために」と。

2021-06-04T17:15:45+09:002021-06-04|

営業力を強化する

このコロナ禍にあって、接触を控えなければならないときに営業!?と思われるかもしれませんが、今回はあえて「営業」をテーマに本コラムをお届けしたいと思います。

これまで、新たな顧客との接点の機会として、例えばイベントや展示会などがあげられますが、コロナ禍にあっては以前のような効果が期待できる状況ではないと思います。これまで訪問営業を中心に、所謂〝足〟での営業活動をしてこられた皆さんにとっても危機的状況が続いております。

一方で、デジタル化の波は年々大きくなり、顧客の6割は直接の商談や購買以前の段階において、デジタル情報から取捨選択しているとのデータもあります。コロナによって大きく様変わりしたビジネスシーンにおいて、私たちはどのように変革を進めていけばいいのでしょか?

 

主体性を持つ

少し前によく言われた“映える”という言葉が象徴される様にInstagram やLINE、facebookなどのSNSによる影響力は小さくありません。IT社会である現代においては、インターネットを活用した発信や告知、そして、口コミが営業活動の最前線として展開されています。ITの力を駆使することで、さらに多くのお客様に自社が認知されるかもしれません。

しかし一方で、商品やサービスが良くなければ売れない。また同様に、新製品やキャンペーンなどの企画、実際に来店して感じる店舗、担当するスタッフと、これらも良くなければ、お客様は他を選んでしまいます。
思うのは、『営業力』のなかには、IT、商品、企画、店舗、人間と様々な力が含まれているということです。つまり、『営業力』とは様々な力を持った『総合力』なのではないでしょうか。

しかし、営業という概念の中に、外に出て交渉すること、あるいは、情報発信と集客だと偏ってはいないだろうか。店舗スタッフによる一つの電話対応でお客様を失ってしまっても気づかない。それでは、懸命に契約を獲ろうと広告費を費やしたり、プロモーションをかけたり、外に出ても空しいばかりです。他の大事なものにも目を向けなければ、行き詰まってしまい、結果には繋がらないと思います。
そこで自分たちのIT力、商品力、企画力、店舗力、人間力は?とそれぞれ見つめ直し、強化することです。それでもトップリーダーは皆、それぞれの専門家ではありません。専門的な知識を持つ会社や人にこちらの想いや熱意を伝え、自分たちに不足している力を取り入れる。その際大事なことは、こちら側が専門家に振り回されてはいけません。大事なのは“専門家を使いこなせる我々”になることです。

つまり、こちら側が主体性を持つことなのです。“任せる”のではなく“使いこなす”。すなわち、専門家の力を借りて、最終的な判断はトップリーダーがしなければいけません。

実行段階にあっては、その主体性の中身には、トップリーダー一人では全てができないからこそ、社内外の人(他)の力を借りるという謙虚さも大事だと思います。そこには信頼という裏付けが非常に重要になってくることも添えておきたいと思います。

 

熱意は伝播する

それでも、その専門家が身近にいない。もしくは、資金に余裕がないから難しいという場合もあるかもしれません。しかし、主体者としてトップリーダーが熱意を持って営業力を強化すれば、その熱意は伝播し、色んなカタチに表れます。

随分昔の話ではありますが、私がある結婚式場に総支配人として赴任して間もない頃。当時、私は結婚式の企画と言われても分かりませんでした。そこで、他の各式場の企画を皆で収集し、全てを実行しました。今と違ってインターネットや雑誌媒体が豊富にある時代ではありませんでしたので、手分けして〝マンパワー〟で情報を集めました。情報を収集する中で、それだったらウチはこうやろう!もっとこうした方がお客様に喜ばれるはず!!と内部の盛り上がりも次第に高まっていきました。何とか喜んで頂こうと企画力や商品力、店舗力と、色々なところから取り入れて他にはない結婚式場のカタチができました。

そうした過程には、失敗やクレームもありました。しかし、満足して頂こう、喜んで頂こうという熱意は歓びや感動を生みだし、それはやがて勢いにもなりました。そして、さらに、熱意が冷めないように色んなことを変え続けました。それは、くたびれることでもありますが、変えた分だけ様々な反応があり、楽しくもあります。また、何より熱意を持続させるエネルギーになるのです。

熱意がなければ、たとえ色んなことをやっても、失敗も成功も味わえない。また、失敗やクレームを恐れ、スマートにそつなくこなすことで伝わるものがなければ“横並び”となってしまいます。大事なのは、「驚き」や「斬新さ」です。そして、リアリティある人と人との関係性です。

先に述べたように、いま世の中はデジタルに埋め尽くされている感があります。デジタルの弱みは、味覚と嗅覚、触覚に訴求できないこととある識者が話しておりました。どこか人間不在を感じさせます。接触を避け、飲食・アルコールも控え、三蜜は厳禁。感染を拡大させないため当然のことです。一方で、和気藹々(あいあい)とした懇親の機会や、思わず生唾を飲むような料理の味や香り、真剣かつ温かな友情あふれる対話の時を渇望しているのは、私一人ではないと思います。コロナ禍に有っては我慢の時ではありますが、正直そう思っています。待ち遠しくもあります。

話が営業から少しそれてしまいましたが、私たちは、熱意を持って、机上ではなく現場に立たなければ活きた営業力は生まれません。是非とも商売と云うか仕事の原点を見つめ直し、いずれ必ず収束するコロナに絶対に負けないで、様々なリソースを使って、他にはできない営業力を追求し続けてまいりたい。その弛まぬ努力の継続の中で、最近よく耳にする「推し」を獲得できるようになるのではないでしょうか。

2021-04-06T17:46:29+09:002021-04-01|

コロナ禍で求められる実践~個人面談・1on1ミーティング~

コロナ禍の影響で、この一年、テレワークや在宅勤務が随分とひろがりました。通勤や営業訪問の移動時間が短縮できたなどの利点もありますが、その一方でチームビルディングや個々人の業務管理という面ではとても難しいとリーダー職にある方々から多く声をいただいています。

また、緊急事態宣言下にあって、時短営業や休業せざるを得ない、例えば飲食、サービス業の職場では、身体的な距離とともに、サービスの質を維持する上で大切な個々人のモチベーションやエンゲージメントの維持が難しくなっています。経営の継続含め不確実な今後に対するストレスも小さくありません。

ー新無限提言「ストレスのなかに生きている」参照ー

これは、コロナ以前からも実はあったことで、急激な環境の変化によって顕在化したと見ることもできますが、いずれにせよ、自分自身を含め人間のマネジメントは、どのような環境であれ難しいものです。

今回は、以前に取り上げた「個人面談(One on One)」に関するコラムを再確認して、その打開の道を探って参りましょう。

(さらに…)

2021-06-04T17:19:44+09:002021-02-02|
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