弊社アンリミテッドクリエーションには、経営をサポートしていくシステムとして、縦糸に経営カウンセリングや人材育成、インストラクションがあります。もう一つは、横糸として、地域別にオーナーが一か月に一回集まり、オーナーでしか話せない問題や課題をカウンセラーと共にアンリミ哲学(サクセスメカニズム)に照らし合わせて解決していく流れ(合同カウンセリング)があります。

さらにもう一つの横糸として、クライアントオーナー有志が集う、利害を超えた理想(人間共和)の現実化のための『アルカディア』という会があります。アルカディアの会に入るステップとしては、オーナーがアンリミを学び自社が発展していく第1ステージです。次のステップはオーナー自身がカウンセラーとして他社を救って行く利他の行動の第2ステージに入ります。利害を超えた人間共和の同志として、共にアンリミの哲学(考え方や捉え方)を研鑽し、お互いの発展のためにプロジェクトを組んで活動する組織体です。

アルカディア・シェフクラブ

私はそのアルカディアの事務局として長年クライアントオーナーと関わってきました。

ある時は、クライアントメンバーの会社が新装オープンの時に、アルカディアメンバーで開店の宣伝の応援をしようとチラシを持って一軒一軒地域を歩いてローラーをしたりします。メンバーは全国から手弁当で集まってきていただきました。

 またある時は、会社の厳しい状態が続いているクライアントメンバーを励まそうと、骨身も惜しまず度々訪問し激励していただけます。

 このプロジェクトでは、メンバー内の経済活動を促進するチーム、外部企業とのタイアップを推進するチーム等メンバー相互の発展のためにプロジェクトが進行してきました。

 アルカディアの理念は、「①哲学の共有②人間愛の絆で事実を創造すること」を目的として掲げています。そして「人生の一切を共有する、将来のすべてを共有する、メンバーの夢をわが夢とします」とあります。利害ベースの提携や団体は数多くありますが、哲学・理念とその実践ベースでの企業軍団は決して多くはないと思っています。

 

 人間には、どうしても人生において様々な試練や逆境はつきものです。予想不可能な事態も数々起きてきます。そのときに一人ではない事実。仲間がいることは、なんと心強いことでしょうか!

なかでも、平成23年3月11日に起きた東日本大震災の時のことは忘れられません。その日、長野県に結婚式場を経営しているA社長は、遠路、岩手県の宴会場のオーナーを激励しようと私と二人で岩手へ向かっていました。同じクライアントのB社長を激励している、まさにその最中に地震がきました。大きな揺れで私とA社長は、B社長と同席していたスタッフと共にテーブルの下に逃げ込みました。天井からは照明機器が大きな揺れで下に落ちてきました。長い揺れの間、危険を感じましたが、けが等もなく身を守ることができました。

テレビをつけると津波の恐ろしい情景が映っていました。道路も遮断され、長野に戻れないA社長と共に、岩手のB社長の家に3日間お世話になりました。この大震災の時にアルカディアメンバーのある社長さんは、車一杯に食料を積んで、大変な被害にあったメンバーのところに駆けつけ激励活動を続けていました。

私は外部企業との外交役として、よくメーカー企業の担当者と連携を取り合っています。この時のアルカディアメンバーの救済活動や激励のエピソードを話すと、一様に驚きの言葉が返ってきます。

「自分の会社が大変なのに、そんなことがあるんですか?びっくりです!」と。またある人は「普通の慈善的な組織体かなと思っていましたが全然違うんですね」またある人は「なんか、三国志や梁山泊に出てくるような話ですね」等々。

 

 アルカディアの理念の中に「メンバーによる・メンバーのための・メンバーの牙城」とあります。そこには団結があり人間愛があり哲学の共有があります。20数年も事務局として関わってきた中、皆様から教わってきたこととして、机上の哲学ではない実践哲学の現実と感動の日々がたくさんあります。創業以来、受け継がれてきたアンリミ哲学の実証の姿が、まさにクライアント様そのものだと思います。

かつてアルカディア発足の会で、皆で確認しあった理念にはこうありました。

「あなたの中に私があり、私の中にあなたがいる」と。これこそ人間尊厳をベースにしているアンリミ哲学を表したものであり、私のミッションでもあります。

 

「理論やシステム或いはやり方・方法は共有できても、もっと深いところでの心の共有がなければ、組織の永続的な発展は叶わない」と弊社カウンセリングテキストにもあります。表面的なものではない、心の奥底にある利他の心を開花して、使命を開花していくための哲学こそアンリミのヒューマニズムです。

 その思想には、弱者逆転の哲学と信念なくしては実現できません。オーナーの苦しみを我が苦しみとして、オーナーの夢を我が夢として「一人の人を大事にしていく」ことです。そしてオーナー同志を繋げていくことです。そしてその企業軍団で中小企業革命を行う使命があります。

 ミッションとは自分が他から与えられるものではありません。自らの命を「何のために使うのか」です。幸せになるために哲学を実践するのではなく、使命を果たすことによって幸せになれると確信しています。

微妙な違いですが、大事なポイントだと感じています。

今はコロナ禍にあり、直接お会いしてアルカディアの活動はできませんが、日々、各オーナー様からお電話がかかってきます。そして、お互いに激励を続けてくださっています。

アンリミ哲学を共有した麗しい人間共和の実現に向けて、アルカディアメンバーの皆さんと共に、ミッションを実現していくチャンスはこれからだと捉えています。

私のミッションもその現実化を達成するためにあるのだと決意しています。  以上

アンリミテッドクリエーション 熊谷由彦