スタッフから不評だった幹部
状況
「部下に任せきり」「責任感がない」「何をしてるかわからない」等々、スタッフからの評判の良くない幹部がいました。大変な時期に会社を盛り上げてくれたスタッフだったのですが、幹部に昇格してから年々悪い評判ばかりを聞くようになっていました。厳重注意、個人面談、減俸、左遷、降格、等々、対処としては様々なことをしましたが、一向に変わる気配はありませんでした。それでも、なんとかもう一度奮起してもらいたいという思いがありました。
クライアント談
「人間対人間の関わりで
本当にその幹部のことを思って行動 」
カウンセラーにそのことを相談し、言われた通りに実践しました。ポイントの一つは、上司と部下、仕事を越えた、人間対人間の関わりで本当にその幹部のことを思って行動することでした。奮起するまでには時間がかかりましたが、今では、新たに起こした重要拠点の中心者として奮闘してくれています。
このことを通じて気がついたことは、『慢心は恐ろしい』ということと、彼は、注意しても聞かなかったのでなく、『自分を変えることは難しい』ということです。問題のある彼も愛社精神に溢れる一人でした。
幹部本人談
幹部に昇格したことで慢心していました。でも当時は、その自覚はまったくありませんでした。スタッフからの評判が悪いことも、そんな風に見るスタッフの方が悪いと思い、自分に原因があるとは思ってもいませんでした。そして、厳重注意や降格人事を受けても「俺のなにが悪いんだ。精一杯やっている。俺の苦労を周りは少しもわかってくれない」とさえ思っていました。
ところがある日の面談で社長の思いを知ることとなりました。それから、社長の思いをなんとなく考えるようになり、また、アンリミのカウンセラーの方との面談を通して、本来、幹部として何を心がけ、どう振る舞うべきなのかを教えていただきました。
けれども、なかなか実践できません。社長からも「一緒にがんばろう!」と時には厳しく、時には優しく、激励してもらったりもしました。またカウンセラーからは「部下から信頼を得ようとするのではなく、まずは部下を信頼できる自分、周囲に感謝できる自分を目指そう!!」とも話していただきました。その頃からだと思います、自分の内面に少し変化が出てきました。本当に変わらなくてはいけないと思うようになっていました。
自分を変えることは、簡単ではありませんでしたが、そんな時、会社の大きな挑戦の一つでもある新規事業に携わる最重要のポジションを任されたのです。こんな私が?とも思いましたが、変わりたいけど、変われない自分自身に挑戦するよいきっかけと思い、お受けしました。会社としても、私にくださった最後のチャンスだったのではないかと思います。社長はじめ、会社の方々には、こんな私を見捨てずに、とことん関わってくださり、心から感謝しています。
(現在・・・) その幹部の方は、今も自らが立ち上げた新規事業を担って、生き生きと挑戦をされております。 業績も軌道に乗り、今では会社全体の中で大事な柱の一つとなっています。
ま と め
・上司と部下、立場を越えた人間対人間の関わりで本当にその相手(幹部)のことを真剣に思っての行動
・信頼を得ようとするのではなく、相手を信頼できる自分、周囲に感謝できる自分を目指すとの見方・捉え方の変化
幹部育成や人材育成では、その人の至らない点やマイナス部分を「直そう」「正そう」という取組みになりがちです。アンリミテッドのカウンセリングは、問題を乗り越える、クリアーするための因は自分の中にあると捉えるところから始まります。また、変化を起こすためには、周囲からの励ましや、関りも大事なポイントだということは言うまでもありません。