変化の激しい時代環境に対する応戦は、必至です。しかし、その変化への応戦は、必要条件でありますが、十分条件を満たしていないと考えます。その十分条件こそ、“自己変革への挑戦”であると確信いたします。つまり、その様々な変化への応戦が、結果に表れていないとするならば、応戦の主体者である自己自身の変革への挑戦が不十分であると思います。あらためて、「自己変革」という十分条件を満たすことによって、結果は変わるのです。
そこで、自己変革を現実化するために“実践三箇条”という実践論を補足したいと思います。
聞く(発見)
まず、自分自身の姿を具体的に“聞く”ことからはじまります。その姿とは、人間的要素である人格面と、仕事のやり方を含めた能力面です。
そこで、人格面については、身の回りの人々である相手から自分自身はどのように見え、どのように映っているか、そして、どう直していけばいいのかと真剣に聞くことです。こちらが真剣でなければ、相手は答えてくれません。謙虚に聞くことが大事になります。
そして、能力面については、正しい考えをもつ先輩や上司へ積極的に聞くことです。『どのようにすればいいのですか』と。そのうえで、『このようにすればいいのですね』と自分の意見を言うと、『それは、違うよ!』と否定される。つまり、そこには価値観の違いがある。そこで、また確認をする。『それは、こういうことですか』と。それでも直ぐに自身の価値観は変わらないために『そうではないだろう』と、怒られてしまう。
このように言うと、理不尽に聞こえるかもしれません。しかし、それほど価値観を変えることは、難しいのです。また、先輩・上司がなんとか成長してほしいと真剣に想えば、自然と大感情が出てしまう。こうして積極的に聞いて、否定され、怒られるという繰り返しを継続することにより、自己変革は、必ず現実化されていくのです。
やる(実践)
次に実践です。前述した“聞いた”ことを、その通りに“やる”ことです。しかし、聞いたことを、その通りにやるのは、難しい。どうしても自己感情に負けてしまう。そこで、大事なことは、どんな小さな事でもよいから、今気づいた事や、決めた事をどんどんとやることです。この実践の連続が必然的に、大きな変化に繋がります。最初は、小さな勝利の積み重ねかもしれませんが、それが、やがて大きなテーマにも勝利できる自身の現実化ともなっているのです。
学ぶ(確認)
この“聞く、やる”の中から、アンリミのテキストに触れることで“学ぶ”ことができる。自身のテーマにチャレンジし、『どうすれば?なぜ?』と問題意識を持ち、テキストを読むのです。そうして確認することで、挑戦心が湧いたり、立ち上がる勇気を得たりと、アンリミ哲学に対する確信が深まってくる。しかし、決して机上で学ぶことが優先してしまってはいけない。悩んだ時、迷った時に実践の支えとなるテキストを、一日も早く発見することが大切です。そうして、自己感情よりも哲学を優先できる自身を築いていけるのです。
一つひとつではなく、“聞く・やる・学ぶ”とすることで、実践三箇条となる。とてもシンプルですが、例外なく自己自身を根本から変革する実践方法であると確信しています。また、この実践三箇条に必要とされるエネルギーは、“今よりも良くなりたい”という主体性の存在とその持続だけです。そこで、問われるのは、その主体性の強弱の程度と、素直さと呼ばれる勇気の有無なのです。